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2019年06月05日

令和の今こそ知りたい!平成の名車
14マジェスタ【短期連載⑤/8回】

平成から令和へ。例え時代が移ろっても、名車は名車であることに変わりない。そこで、不定期連載で、平成という時代を彩ったセダンを独自の視点で解説していく。

14マジェスタ【平成3年10月DEBUT】

1989年。エンジンや車体の全てが世界基準で作られた、レクサスLS400の国内版として導入されたセルシオは、今までのリッチ層に、「洋風」の素晴らしさを思い知らせ、トヨタの新たなフラッグシップの座に就くことに成功した。

しかし、高級車マーケットには保守層と呼ばれる、ドラスティックな変化を嫌うユーザーが相当数存在しているのである。

そこで、セルシオとクラウンとの間に生じた大きなギャップを埋めるべく、ロイヤルシリーズ(14系から標準型クラウンはこの呼称に統一され、従来までのスーパーサルーン・スーパーセレクトといった呼称は廃止となった)の兄貴分的存在として1989年の10月に登場したのが、マジェスタだった。

マジェスタの最上級グレードにはもちろん、虎の子である1UZーFE型V8ユニットを搭載。「やっぱりトヨタの一番はクラウンだ!」という保守層に、大いなる好意を持って受け入れられた。

マジェスタの持つ独特な魅力に関心を示したのは、大人世代だけではなかった。マジェスタの中古車が出回り始めるや、14系ロイヤルに失望し、やむなく13系後期を大切に乗り続けていた若者ユーザーたちが、一人、また一人と乗り替えを開始し、その流れはやがてVIPセダンの一大ムーブメントにさらなる勢いをつけることになるのである。

今、市場で人気のエアロメーカーの重鎮たちの中にも、このクルマをベースとしたドレスアップをきっかけに、全国でその存在を知られるようになった人がいる。また、アフターパーツの数自体も14マジェスタの登場以降に激増したことは、これまでのVIPの歴史を振り返ってみれば分かるはずだ。

顔面を変え、リア周りのアウターパネルを大きく変えるなど、文字通り、波瀾万丈続きだった14系ロイヤルに対し、最初から極めてバランスの取れたデザインが与えられていたマジェスタは、大掛かりなマイナーチェンジを受けることなく、4年間のモデルライフを粛々と全う。

後継となる15マジェスタが発売された後も、あえて14系の中古車を探すユーザーが多く見受けられるなど、VIP界において、1位、2位を争う人気車となった。

苦境続きの中、思わぬクリーンヒットとなった14マジェスタ。この結果に最も驚いているのは、当のトヨタだったかも知れない。


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